『日本一』が2人いる医局。嶋根俊和教授は神経鞘腫に対する手術,特に被膜間摘出術をより確実に行う持続吸引シリンジ法(CAS法)を考案され、日本で最も多く神経鞘腫手術を執刀されている先生であります。福島啓文教授は長くがん研有明病院で頭頸部癌手術に携わり,特に喉頭を失った患者に声を宿す食道シャント手術を日本で最も多く執刀されている先生であります。
自分は頭頸部癌手術に魅了され、手術がしたい一心で昭和医科大学耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座の門を叩きました。
当講座との出会いは愛媛県松山市で開かれた第33回日本頭頸部外科学会総会に参加したときでした。最終日、学会会場を後にして松山空港の喫茶店で搭乗時間まで時間を潰していると隣に偶然座ったのが福島教授でありました。 “あ、福島先生だ。そういえば昭和大学に移ったんだよな。手術見させてくれるかな。” 当時面識がなかったにも拘わらず、厚かましく渡した名刺を快く受け取っていただきました。手術を見学しに行くと、なんと頭頸部外科医、口腔外科医が混ざって手術を執刀されていました。かくいう自分は医師・歯科医師の資格を持っておりましたので、“こんな打って付けな医局は他にない!”と入局を希望させていただきました。
とはいったものの、執刀医になれるか不安も当然粛々としてありました。ところが、入局してみると2人の『日本一』は“どんどんやりなさい”と背中を押してくれるではありませんか。気づけばこの1年で頸部郭清術に始まり、なんと拡大耳下腺全摘、咽喉食摘や喉頭全摘まで執刀させていただくことができました。
このような“神医局”に身を置かせていただけていること、幸甚の至りに存じます。