私は、入局後最初の3年間は昭和医科大学病院、昭和医科大学藤が丘病院、小田原市立病院で臨床を学び、その後は大学院で基礎研究に取り組み始めました。臨床免疫腫瘍学教室に所属し、癌免疫や腸内細菌に関する研究を行っております。頭頸部癌治療における新たな治療選択肢である免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)は奏功率の向上が課題であり、その効果は腫瘍微小環境に影響されると考えられています。近年、腸内細菌叢が、癌免疫療法の抗腫瘍効果を高めることが明らかになっており、我々はその腸内細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸に注目し、癌・免疫細胞に対する作用を明らかにしました。科研費を取得し、現在も臨床に復帰しながらさらに研究を進めております。
医師として、目の前の患者さん一人一人に向き合っていくのも良いですが、未来の多くの患者さんの病気を治すことを目標に日夜研究に明け暮れるのも非常にやりがいを感じられると思います。医学の進歩は先人の基礎研究と臨床研究の蓄積によって成り立っています。基礎・臨床の双方の視点から学ぶことで、今後の診療や研究に活かしていけると思います。私自身は大学院に進んで本当に良かったなと思っていますし、興味があればいつでも相談してください。
改めて当教室に興味を持っていただきありがとうございます。心より歓迎いたします。私たちも全力でサポートいたしますので、ぜひ一緒に当教室、そして耳鼻咽喉科頭頸部外科全体を盛り上げていきましょう。